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2019年プレシード起業家9つのチャンス(年頭所感に代えて)

スタートアップの皆様のお役に立つべく、2019年・そしてその先について私の所感を記載させてくださいませ。長文となりますことをお詫びいたします。

◆残念ながら日本の長期動向は悲観的

目を逸らせない事実があります。

・少子高齢化
・人口の減少

 よく知られた話ですね。現実のものになりつつあります。
社会保障制度の破綻は間違いなく、政府が国民を守る事は出来なくなっていきます。
企業にとっては、国内だけでは成長が難しくなる・非効率なので、「日本の韓国化(外貨を稼ぐ前提の企業戦略)」を進めなければなりません。
私を含め英語・中国語などに苦手意識を持つ島国日本人にとっては冬の時代を迎えます。
(ドラえもんでいうところの”翻訳こんにゃく”が出てくれば変わると思いますが期待するのは楽観的すぎるでしょう)

そんな状態ですから現在の世界の時価総額ランキングTOP50に日本企業で入っているのはトヨタ自動車だけです。30年前のランキングではTOP10に8社入っていましたが、今や世界は日本企業の将来に期待していないのです。
つまり、日本の企業に”なんとなく所属する”のはグローバル視点では危険かもしれません。戦略的に自らビジネスを作る力を磨きましょう。起業はそのショック療法かも知れません。

◆短期景気も厳しくなる可能性が高い。ダブルパンチの国内情勢

次に短期景気です。残念ながらリセッション(景気後退)の局面に入ってきているようです。昨年末についにアメリカの長期金利が短期金利よりも低くなりました。これは2000年ITバブル崩壊・2008年リーマンショックが起きた時と同様の現象です。
米国市場の株価は下落し始め、その動きと連動して、日本の東証平均株価も2万円を割り込み始めました。日銀による買い支えは昨年6.5兆円となり過去最高額を記録しましたがそれでも株価を支え切る事は出来なかったという状況です。
(2013年の買い支えは1兆円規模でしたがアベノミクスにより年々増え今では当時の6倍の規模。上場企業の4社に1社が、日銀を安定株主にしていると言われています)

◆スタートアップのIPOに与える影響

この株式市況だと、上場(IPO)できたとしても株価が安いので上場による資金調達が難しくなります。そもそも、上場前の時価総額が高すぎるとIPOの選択が取れなくなり企業はリビングデッドになってしまいます。
つまりここしばらくは過去のように、思いっきり赤字を掘ってJカーブで成長する会社(メルカリ・グノシーなど)は戦いづらくなるかも知れません。
そして景気とは関係がないところで、東証マザーズの審査がより適正化されており、予実管理とガバナンスの観点から、証券会社審査OKでもその後の東証審査では50%くらいの会社しかIPOが出来なくなっている模様です。従来に比べIPO難易度は上がっていると言えます。
東証が公開企業としてあるべき姿を求めているという当たり前のことではありますが、結果としてIPOという出口が難しくなると、キャピタルゲインビジネスが生業のVCは出資する企業を限定せざる得ないでしょう。この辺りが今年来年顕在化するのではないでしょうか。
今後はスタートアップといえどもJカーブを掘って調達する戦い方ではなく、フリーキャッシュフローを大切に経営する時代になる気がします。

◆プレシード期(創業前・直後)の9つのチャンス

目を逸らしてはならない前提条件として少し暗いニュースを書きましたが、プレシード期(創業前・直後)のスタートアップにとっては明るいニュースも感じております。
大きく9つ挙げさせていただきます。

①SNSの一般化による、起業インサイトの確保しやすさ
②決済システムの一般化。導入簡便&低手数料によるサブスクリプションビジネスのしやすさ
③エンジェルの増加による、起業しやすさ
④ポストメルカリのファンド組成による2023年までのスタートアップへの投資余力
⑤「起業テック」これからの起業家をターゲットにしたビジネスの重要性
⑥ネクストスマホがしばらく無く「+スマホ」が成熟をし続け、レガシー業界のITアップデートチャンス
⑦課題先進国ならではの将来ビジネスチャンス
⑧グローバルでスマホネイティブ世代がお金を払う層に成長してきている
⑨大企業の意思決定の柔軟化

下記に補足します。

①SNSの一般化による、起業インサイトの確保しやすさ
私は昨年末からあらためてTwitterを開始しました。時を同じくしそのような方が散見されます。
TwitterがFacebook化し、ビジネスの情報収集/発信がしやすくなった印象です。
これにより質が高い情報を発信出来れば、会社の垣根を超えてバーティカルなコミュニティが早期に形成しやすくなりました。
リスペクトしている方がおっしゃっていましたが「成長市場だからうまくいくなんてことはない。その起業家にしか見えない景色が投資家を圧倒し(資金調達)、ユーザの共感を生む。」その”景色の解像度をあげる”方法として情報発信を行うのは非常に有力な手段です。
「SNSによりインフルエンサー化・ブランディングがしやすい」ということもありますが、それよりも、情報発信を通じて有識者と交わることで業界課題のインサイトを確保しやすくなっていることの方がその起業家ならではの事業検討に有効だと考えます。

②決済システムの一般化。導入簡便&低手数料によるサブスクリプションビジネスのしやすさ
 月額課金の決済が個人でも非常にしやすくなりました。noteも月額決済に対応していますし、他にもたくさんありますよね。
たとえば私のプレシード起業家限定オンラインサロンではメタップスペイ社の「会費ペイ」という仕組みを使っています。これは非常にありがたいサービスで、システム開発は不要かつ主要クレジット決済やコンビニ決済に対応しており初期費用・月額費用は0円、手数料はわずか3.5%です。
誰しもがサブスクリプションサービス事業者になれる時代になっています。
起業前にサービス提供して自分の毎月の生活費を稼いでから起業することはリアルに可能です。起業後の資金繰りに精神的にも非常に優位に働きます。

③エンジェルの増加による、起業しやすさ
 スタートアップにおけるM&A件数推移を見てみましょう。

 2015年10件→2016年20件→2017年50件→2018年50件
(レコフ調べを元にいずれも”約”)

と増加傾向です。
日本の、キャッシュリッチだがイノベーションが起こしづらい大手企業が新規事業創出文脈で引き続き買収をしていく可能性が高く、今後のスタートアップのイグジットストーリーはIPOからM&Aがメインに出来るかも知れませんね。
M&Aが増えるということは、エンジェル投資家が増えることを意味します(私もその一人と言えます)。
自分の経験をもとに後進の起業家を支援するのはエンジェル投資家にとって義務感もあり選択しやすいものです。これから起業する方にとってよい環境と言えるでしょう。
プレシード/シード期の出資元についてはVCからエンジェル投資家がメインになってくるかもしれません。

④ポストメルカリのファンド組成による2023年までのスタートアップへの投資余力
 2018年に上場したメルカリは7,000億円規模となりました。グローバルで戦える日本の期待の星であり時価総額が大きくなりました。株式の約30%はVCが保有しており、2000億円あると言えます。これにより新たなファンドが組成されやすく、10年期限の場合これからの前半5年間は投資期間になります。
起業家とエンジェルとで事業を立ち上げ、アーリー以降のステージにVCからマネー注入してイグジットを目指すのは想像にかたくありません。
ただし、前述の通りIPO環境が悪くなるとVCは出資先を限定する可能性があります。追加調達ができるエクイティストーリーで経営するのではなく、いつでもフリーキャッシュフローを生み出せる手綱を掴んでおかなければ、調達が出来なかった時に会社はクラッシュしてしまいます。
もっというとフリーキャッシュフローを生み出す仕組みを持っているところが資金調達でも優位に働きやすくなるでしょう。

⑤「起業テック」これからの起業家をターゲットにしたビジネスの重要性
 エンジェルが増えることでプレシード/シードマネーが拡充し、ポストメルカリのファンド組成によるアーリー以降のマネーが拡充、そしてレガシーな業界がITが無視できない存在になり浸透していく。そして国の成長戦略としてもスタートアップを支援する方針。
こうなると日本で起業家が増えていくのは見えています。
そうはいっても、初めて起業するビジネスパーソンがほとんどですから、そんなに簡単に成功できるものでもありません。
そこで今年以降は”起業テック”のニーズが顕在化するのではないかと思っています。
起業の手間を省くものから(すでに会社設立freeeなどはありますが)、失敗確率を下げるもの、レガシー業界出身の起業家向けにITサービスを提供するなど、2023年くらいまでは”起業テック”の伸びしろは大きいでしょう。
弊社も起業テックは積極的に開発する予定です。共同開発されたい方おられましたらご連絡お待ちしております

⑥ネクストスマホがしばらく無く「+スマホ」が成熟をし続け、レガシー業界のITアップデートチャンス
 スマホ勃興期はコミュニケーションのLINE、次にパズドラなどゲームそしてニュースが伸びましたが、三年ほど前から昨年にかけてはインスタ・TikTok・Abema・CChannel・クラシルなどスマホ動画関連ビジネスが伸びた印象です。これはユーザのスマホ成熟度合いと歩調が合わされ、日常使いにどんどん進化しています。
多くのユーザがスマホを日常使いすれば、今まで避けていたレガシーな業界のプレイヤーも無視出来ません。
日本ではスマートスピーカーやVRなどはまだ普及しておらずしばらくはスマホの成熟がさらに進むと考えられることから、ここから本格化するのは「レガシー業界をスマホITでアップデートする」ということになるでしょう。
私の出資先・サロンメンバーでも「受付業界」「受発注業界」「花業界」「お酒業界」「スポーツ業界」「タクシー業界」など、レガシーな業界をITでアップデートしに行く起業家が増えています。
また、それらの方の出身業界を見ますとIT業界ではなく、もともとその業界やコンサル業界に居た方が増えているのも特徴です。
その業界特有のムリムラムダをインサイトとして深く知っている起業家が有利になって来ているということでしょう。
さらに5GでIoTがやりやすくなると自ずとこの辺りはさらに期待値が高まるでしょう。

⑦課題先進国ならではのチャンス
 日本が少子高齢化の道を進むことはマイナスの側面だけではありません。中国を含む他のアジアの国がそれに追随してくることが見えているからです。ですから日本は”課題先進国”と言われていますよね。
介護(介護離職含む)・在宅医療・シニア向けEC/エンタメなど、日本でサービス力を磨いたら10年20年単位ではグローバルでビジネスをするチャンスになり得ます。
成長ストーリー・伸びしろとしてはリアルな話です。

⑧グローバルでスマホネイティブ世代がお金を払う層に成長してきている
 スマホネイティブ世代は、スキマ時間を楽しみ、SNSを活用するのが当たり前です。
インスタストーリー、TikTok、BuzzVideoなど枚挙に暇がありません。
これらは国特有では無く、スマホというデバイス固有の文化ですからグローバルでビジネスするチャンスがあるかもしれません。
2000年生まれのユーザはもはや大学生です。直接マネタイズが可能になりつつあります。
私が提供するオンラインサロンの起業家の方で、日本からアメリカ・フランスへ「ビットストーリー」(3分前後で楽しめる)コンテンツを配信し、売上90%はグローバルという方がいます。旧来のTVやマンガの作り方だと難しそうな領域であり、非常に面白い市場だと思いました。
IPビジネスであれば日本はグローバルで戦えます。スマホネイティブ世代のフォーマットで提供することはチャンスがあるように思えます。

⑨大企業の意思決定の柔軟化
 実体験もありますが、大企業が人材や企画をスタートアップから募集することが増えているのは間違いないところです。
大企業の社内構造上新しい取り組みはスピードが遅いので、すでに突き抜けているスタートアップと組む流れが進みそうです。
大企業が”集客や予算”、スタートアップが”モノ作り/実働”していく、という組み合わせは相性が抜群でもあります。
大企業はキャッシュリッチですが本体の成長率が乏しく、長い目で見ると既存事業が徐々に落ちることは見えているので常に新しい芽を探しています。その一手としてM&Aは引き続き増加するでしょう。出資を受けたスタートアップの出口にもなることで、さらにスタートアップが増える循環を作り、ひいては国力を高めるためにも、日本全体としても歓迎すべきだと考えます。

以上プレシード期スタートアップ視点での9つのチャンスでした。

◆まとめ

総じていうと。


長期的には日本という国そのものの強さに依存する生き方は出来なくなります。短期的にも景気は厳しくなるでしょう。
しかしこれから起業する人にとって今はチャンスであると思います。
なぜならSNSを通じて個人/会社への共感をもとに価値を形成しやすいですし、2023年まではスタートアップマネーが集まりやすいのでこの間に起業して、日本を超えて世界のスタンダード人材へ進化を目指せるでしょう。

事業の方向性としては、スマホ成熟期の今はとくにレガシー業界出身者がITを活用した事業を興すというのはわかりやすく伸びしろがあり得そうです。一方でサービスが出揃っているためワンパンチ物作りは難しいでしょう。情報発信含め努力し続ける起業家が認められる時代を迎えています。
従来のスタートアップと比較して意識すべきはきっちりキャッシュフローを回すことと言えます。
なぜならば、M&Aは交渉ごとなので必ず決まるわけではないですし、IPOは実態として難しくなりそうです。だからキャッシュフローで経営しなければならないと言えます。
その拡大の過程でニッチトップを獲得し、バイアウトするチャンスは巡ってくるでしょう。


スタートアップビジネス(Jカーブ)のあるべき道から外れた提案ですが、会社がキャッシュフローを回せなくなった時に助けてくれる人は誰もいません。華々しいニュースが目についてしまうものですが自分は自分だと思って日々やるべきことをやりながら目線を高く持ってスタートアップライフを楽しんでまいりましょう。

◆最後に。過去の自分が欲しかったものを提供しております
プレシード期(起業前や起業後)は大変なことが多く、頭ではわかっているがやるべきことを避けてしまうことあることがあるのはわかります。名が売れていない時は世の中は相手にされないことも多いです。両方とも僕の経験なのですが笑、そのような方には私がスタートアップジム(1on1を軸とした起業家コミュニティ)を通じてブースターとしてバックアップさせていただきます。
互いに成長にコミットするため有料ですがスタートアップジムに興味がある方はご連絡をお待ちしております。